メルマガ「ガラス張りの政治」⑦ 死刑再審無罪者に対する年金給付法案が成立

掲載日:2013.06.19

本日、参議院本会議にて、「死刑再審無罪者に対し国民年金の給付等を行うための国民年金の保険料の納付の特例等に関する法律案」が成立しました。この法案の骨子は、「死刑再審無罪者については、死刑判決確定後、国民年金の保険料の納付等の手続をとらなかったことがやむを得ないと認められることに鑑み、死刑再審無罪者に対し、国民年金の給付等を行うための特例等に関し必要な事項を定める」というものです。   死刑が確定すると、ほぼ社会に復帰する余地がありません。当然、年金保険料など納付しようとは思わないでしょう。しかし、冤罪で死刑判決が取り消された場合、保険料未納なため、年金の給付が受けられません。冤罪などありえないということで、今までは問題にされてきませんでしたが、実際に死刑確定者が再審無罪となる例が出てきたことから、この問題が現実の課題として浮かび上がってきました。   現在、救済の対象と考えられるのは、免田事件で1983年に再審無罪となった免田栄さんと、島田事件で1988年に無罪となった赤堀政夫さんです。 免田さんの場合、1949年に強盗殺人の容疑で逮捕、死刑となりました。1983年に再審無罪となるまでの34年間、勾留され続け、国民年金支給に必要な加入期間20年を満たすことができませんでした。もちろん、刑事補償は受けておりますが、34年分の人生の補償には程遠い金額であり、そこに無年金で暮らせとは国として無責任過ぎるのではないでしょうか。   民主党では、早期救済の必要性からこの法案の準備を進めてきましたが、田嶋要・衆議院議員などの甚大な努力により、本日成立させることができました。   このような人権侵害に対しての制度整備は必要でありますが、そもそも冤罪事件が起きてしまうこと自体が問題です。本来、国が国民の人権を守らなければなりません。取り調べ可視化法案の制定などで、国による国民に対する人権侵害が起こらぬよう、全力で取り組んでいきます。