民主党 長浜ひろゆき
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長 浜 委 員:  長浜博行でございます。
 この国会、環境委員会も実質質疑ができるのはきょうが最後というようなことになると思います。先ほど来拝聴しておりまして、自民党の委員からも、ふだん忘れそうになりそうな、法案はつくればいいとか審議すればいいということだけではなくて、それを見直していく作業も大事だよ、目からうろこでありますが、こういう指摘も受けましたし、岡本ドクターとか、それから田島さんからも、田島さんは民主党の中でのこのアスベストの責任者でありますが、こういった問題に関しても細かい指摘を幾つか受けてきたわけでございます。
 振り返れば、フロンのときの山本さんとか容リの方の岩永さん、この委員会はさまざまなその法案における問題点を、環境にとって良識あると言ったらいいんでしょうか、問題点を党派性はなくして追及するというような部分がありますので、こういったよき伝統を維持していかなければいけないなとは思っております。
 このアスベストの問題も、考えれば補正絡みでスタートをして、私は補正絡みの扱いにすることを一貫して反対しておりました。要するに、この法案をつくることによって問題が収束するんだということであれば、まあ、そうかなとも思わない部分はないわけではないわけでありますが、しかし、これから潜伏期間の問題等、あるいは救済でなく補償というスタンスに立たなければならないのではないか、政府が、困っているから救済をしてあげるということではなくて、基本的には行政の不作為等を含めて、責任を感ずるならば補償をさせていただく、御迷惑をかけましたという視点を、根本的な部分を正していかなければならないのかということを感じるからでございます。
 私は、今国会を振り返ってみても、水俣の問題、五月一日に水俣に、患者が認定されてから五十年ということでも行かせていただきましたし、今はカネミの問題も出てきておりますけれども、このアスベストの問題、いわば公害等が克服されたことによって、国際貢献のあり方としては、発展途上国に対して、公害を克服した日本の技術による国際貢献もあるんではないか、つい私などもこの論調で街頭演説などをしますが、克服をされていない問題があり続けるという観点から、私自身としては、現在でも大変苦しんでおられる方々、それが環境委員会として何ができるかという視点で今国会はやらせていただいたつもりでございます。
 きょうは質問通告をしておりますが、あれは一月三十日の衆議院の予算委員会の総括質疑、小泉総理以下出席されているところで各大臣に質問通告をした事項でございます。国会というのは本当にいろいろなことがあるもので、あのときもその質疑のために委員会室の方に行ったら、BSEの問題で紛糾しているということで、直前になって、一時間アスベストをやるつもりで準備をしてきたんですけれども、約二時間にわたってBSEをやれということでありますから、BSEをやらせていただきました。
 そういったことからすれば、暮れからアスベストの問題をやらせていただいた、あるいはやらなければいけない。あの日は二千人ぐらいの国会周辺でのデモ活動があったんです。それは、アスベスト対策基本法を制定してくれという百万人署名ですね、一億二千万の人口でありますが、百万人署名を持って二千人のデモ行進、アスベスト基本法案を国会で策定してくれ、制定してくれ、こういう願いに満ちた状況の中での大きなプレッシャーを抱いての質問を用意していただけに、若干、内心じくじたるものがあったわけでございます。
 今回の質疑を拝聴しておっても、あのアスベストのときの、さっき環境省からの答弁にもありましたけれども、今目の前で苦しんでいる皆様方を何としても即刻救わなければならない、なるべく多く救わなければならない、そういった中においては新法の策定が必要なんだ、しかも一刻を争うので補正対応をしなければいけない、悩みに悩んだあげくに、そうだろうなということで賛成をしていった経緯がございます。
 ですから、ここで先ほどの質疑を聞いて、結果、本当に迅速な対応になっていたのかなと。あるいは、より多くの方々を、疑わしきは罰せずというのが何か司法の場ではあるようでありますが、疑わしきは救済をする。補償しろと言っているんじゃないですよ。言葉は、救済しろと。救済するということで、この法案を生かしていっていただければよかったのではないかな。終わっておりませんが、そういう姿勢で、ぜひもう一度、あの一月のころの、この通常国会が始まったころの、与野党ともでありますが、原点に戻って考えていっていただきたいと思います。
 民主党は、昨年の百六十三回特別国会にアスベスト総合対策推進法案を既に提出しております。アスベスト被害者に対する総合的な推進策を示し、その中で、健康被害者に対して政府の不作為責任を含めた補償をすべきとの考えを明らかにしてまいりました。一方、政府案は、あのときの法案は、お見舞い、救済を行うにすぎず、基本的な補償というようなことにはなっていないわけであります。
 こういったことから、私は、内閣総理大臣を長とするアスベスト対策会議、名前は何でもいいですが、患者やその遺族なども参加するアスベスト対策委員会を設置し、過去の検証を行って基本法をつくっていくべきだということを、この法案の中でお訴えをするというか、質疑の過程の中で明らかにしていきたいというふうに思ったわけでございます。
 後ほど質問をさせていただきますし、また先ほどの大臣の二分間の御報告の中でもありましたけれども、関係閣僚会合なるものも存在をしているわけでございます。皆様にもこの座席表を配らせていただきました。御丁寧に入り口まで書いてありますが、入り口から入っていってこうやって座るんだろう。こういう会議というのは座り方も大変意味があるようでございますが、こういった形で、この新法をつくる前にアスベスト問題に関する関係閣僚による会合が開かれていたようでございます。
 限られた時間の中で、自民党の委員含めてのダブりを避けて質問をしますが、この後には田端さんがやられますが、田端さんもこのアスベストには専門的でございますので厳しく質疑をしていただければいいと思いますが、このアスベスト問題に関する関係閣僚による会合なるものは、内閣官房からも来ていただいておりますが、一体どういう会合の性格を持つんでしょうか。
笠井政府参考人:  お答えいたします。
 アスベスト問題については、関係する行政分野が多岐にわたりますので、関係省庁の緊密な連携のもとにスピード感を持った対応を行うということで、設置要綱のような文書を持ったものではございませんが、例えば、大気環境保全の観点から環境大臣、労災補償等の観点から厚生労働大臣に入っていただくなどして、事態の緊急性を踏まえて関係閣僚が必要に応じて集まっていただくという形で開催をいたしました。内閣官房が総合調整を行うという立場で、官房長官が主宰をしております。
長 浜 委 員:  今のお話でも、迅速、機敏に対応していくという話がありましたけれども、それで新法が成立をしたわけでありますが、今、この閣僚会合なるものは一体どういう位置づけになっておるんでしょうか。
笠井政府参考人:  閣僚会合自体は、昨年の七月、八月、九月、十一月、十二月と開きまして、その後、国会での法案の審議、成立した法律を受けた施行準備などに入りまして、それで、閣僚会合ではございませんが、三月の初めには、もう一度、課長レベルで集まって施行状況を確認するというようなことをやっております。
長 浜 委 員:  開かれてもいないで、新法をつくってしまったからそれでいいやということになるのかどうか。
 先ほど来申し上げているように、この種の法案は、人の命とか健康が絡む問題は、先ほど御入院をされたから大臣もおわかりでしょうという発言がありましたが、人の生命、命にかかわる問題は、その都度見直しを図っていくというのが常識的に考えられる部分であって、最初から完璧な法案なんというのはできないわけですね。現実に対応していく中で問題点を見つけて直していくということで、もう関係閣僚会議は開かれていない。現実には開かれていない状況の中において内閣官房がリーダーシップをとっているというような形になっておりますけれども。
 この質疑を行うに当たっても、さっき山本さんから、随分あなた呼んでいるねという話が出ましたが、呼んでいるわけじゃないんです。アスベストの問題を質疑するときに必要だから来られているわけでしょう。経産省がおられたり、この座席表を見ますか、防衛庁長官までいて、経産大臣、文科大臣、国土交通、財務、農水、総務、こういった方々が集まって、普通は、これほど多省庁にまたがる場合は特別委員会などを設置して、今は多省庁にはまたがらないと思いますが、教育問題を特別委員会でやっておるようでございますが、この問題はまさに多省庁にまたがる。きょうも、不幸にして委員会が多数開かれているということで、私は基本的には政治家答弁をいつも求めておりますけれども、委員会ということで皆様方が来られているんだというふうに思います。
 ですから、こういった問題を担当するのは、環境省は環境省の役割があるでしょう。それから、さっき岡本ドクターがやっていましたけれども、厚生労働省は厚生労働省の役割があるし、学校の校舎、夏休みに入ってアスベストの撤去なんかするけれども、周辺住民や何か、あるいは校庭開放で遊んでいる子供たちにどういう影響があるかなんというのはやはり文部科学省になるし、あるいは、皆様のおうちもそうかもしれませんけれども、公共施設ばかりやっていますが、一般の家庭の中においても、アスベストをまぜながら補強した屋根材ですね、かわら、普通のかわらじゃなくて、雪が落ちやすいようになっているあのかわら、スレートみたいなもの、こんな製品をやるのなら経産省になるし、これだけまたがっているものを、なぜこの関係閣僚による会合の中で環境大臣にこの取りまとめをさせるという状況になっているのか。
 私は、時代の流れの中において、環境権とか環境税をきょうは論じるつもりはありませんけれども、一九四五年とは今の環境における位置づけが違うので、今の内閣のあり方からすれば、前にこの委員会でも言ったことがありますし、本会議でも言ったことがあります。環境大臣は総理大臣が兼ねるべきではないか、あるいは、総理大臣が環境行政の最高責任者として、すべての省庁にまつわる環境の問題についてはリーダーシップを発揮すべきではないか、あるいは、それができないのであれば、環境大臣にそれだけの、各省庁にまたがる部分の中で優越的地位を与える、法律的にどうなっていくのかわかりませんが、そういうことを訴え続けているわけであります。
 このアスベスト問題で環境委員会への付託は、これは議運で決めることですから言いませんが、主務大臣が環境大臣というふうになっているのは、どういったことでございましょうか。
小池国務大臣:  各関係省庁にまたがる事項というのは、もう多々あると思います。このアスベスト問題について環境省としても取り組みをしていくというのは、これは有害物質によって環境が汚染されて、そこから人の生命、健康が害されるというようなことがあってはいけないということで、これはある種、最も基本的な環境政策の一つであろうと考えております。
 また、この問題の中身を考えますと、まさに労働災害の部分とそれから環境の部分とそれぞれあります。ここで内閣という考え方もありましょうけれども、しかしながら、環境省が主な役所となって、そして各省庁に必要な事項を出してもらって、またそれを実行してもらって、そして総合的に進めていく。
 今回、最大の反省事は、関係省庁がばらばらな対応をしていたがためにおくれてきたことではないかということは、再三再四、反省として申し上げているわけで、だからこそ、それぞれの省庁がばらばらに取り組まないで、環境省が今回ベースにさせていただいていますけれども、連携を密にとって、そして、先ほど来お話ありますように、労災の方に申請をしたけれども、いやいや、これはあっちの方じゃないかといってたらい回しにならないように、私は、このことについてワンストップサービスでできるようにとお願いしている中で、現実には、いろいろな問題も実際にはあるんでしょう、そうでないようにということを、きょうの質問をベースにして、必要なところにまた環境大臣としてのお願いというのを出せばいいなと思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、政府としてきっちり責任がとれる体制をどうやっていくのか。ですから、形とそれから実効性、その両方が整わなければならない。その意味では、今回、関係閣僚会合をスピーディーに何度か開いていただいて、家の設計図をかいていただいて、そしてそれぞれの必要な案をもとに家を設計し、今、それをつくった上で活用し始めたところでございます。
 いずれにいたしましても、環境省として、また環境大臣として、このアスベストの問題で、再びまた関係省庁との連絡の悪さから被害者の方々の救済に対して何か問題があってもいけないし、そういったことは、これからも連絡を密にとりながら進めていきたい、このように思っております。
長 浜 委 員:  スティーブ・マックイーンという映画俳優がおりまして、好きか嫌いかは別にして、一九八〇年に五十歳で亡くなられました。たまたま、日本医師会提供のテレビ番組を見ていました。スティーブ・マックイーンの特集じゃなくて、アスベストの特集です。日本医師会が提供していました。偶然見たんですが、死因は、一九八〇年、アスベストが原因の中皮腫が発症しているのが見つかり、余命数カ月を宣告された後、亡くなった。海兵隊で乗務した戦艦の船室の内装に多用されたり、趣味のレースで当時使われたアスベスト製の耐火服、耐熱フェースマスクから長期にわたりアスベスト繊維を吸引したのが原因ではないかというふうに言われて、一九八〇年、あのスティーブ・マックイーンは亡くなっているわけでございます。
 それから、WHO、世界保健機関の石綿の発がん性の指摘は、それに先立つ八年前の一九七二年、昭和四十七年でありました。また、ILO、国際労働機関によるところの青石綿の原則使用禁止、これは一九八六年、昭和六十一年でございました。
 こういった状況のときに、環境省とは言いませんが、この問題を扱うときには、一九九二年のリオデジャネイロのサミットの予防原則のことをいつもおっしゃって、いわゆる行政、国の不作為責任というものはないんだというとらえ方をします。現実には、世界の中において、関係閣僚会議なるもので、八月、九月、それから十月を飛ばして十一、十二ですか、やっておられた中での、予防原則が確立をされていなかったために、これは大気汚染防止法にも、大防法にも触れないというか、責任をとるものではないという指摘があります。
 私は、また申し上げて恐縮ですが、水俣にしろ、こういった問題にしろ、世界各国の潮流の中でこうだった、しかし、その潮流も、今とらえれば、八〇年にあれだけ有名な映画俳優もアスベストで亡くなっている等々、あるいは国連機関等々もアスベストの問題を指摘する中において、なお強弁と思われるごとく、国の行政の不作為責任というのを認めないのか。
 実は、きょうは多くの官庁の方が、さっきも申し上げているように、来ております。大変失礼で申しわけないんですが、実はこの質問時間で、おわかりのように、とても質問ができるだけの時間ではありません。つまり、今の質疑を聞いていただいて、ぜひ、御所属のところに戻っていただいて、アスベストの問題で環境委員会でこういう質疑をしていたということを御報告いただければありがたいなというふうに思っております。そういう失礼をおわびします。
 環境大臣、行政の不作為、国の責任について、どうお考えになりますか。
小池国務大臣:  行政の不作為の責任についてということで、環境省、この問題が昨年の六月でしたか再びクローズアップされましたときに、改めてこれまでの行政のあり方はどうだったのかということで検証をさせていただきました。そして、その結果については、御報告をさせていただいたとおりでございます。
 旧環境庁の時代でありますけれども、昭和四十七年から、石綿に関しての科学的知見の収集、環境モニタリングなどに努めて、そしてまた、それに必要な事項ということに対しての対応を講じてきております。よって、不作為がないとは言えないのではないかという御質問だと思いますけれども、こういった過去の検証ということからいいますと、不作為があったということはない。
 しかしながら、大気汚染防止法によります規制の導入が実際には平成の元年まで行われておりませんので、当時においては予防的アプローチの考え方というのは欠如していた、十分に認識されていなかったということもございましょうし、さらにまた、私はここがやはり日本の中で一番大きな問題であろうと思いますのは、関係省庁間の連携が必ずしも十分ではない、それぞれの知見、それからさまざまな情報についてもそこどまりといった事項のことについては、残念ながら多々あるわけでございます。
 こういったことは、今後はそうあってはいけないわけでございまして、だからこそ、今回のアスベスト問題についても、関係閣僚会合などを開きながら、省庁間での連携を密にして進めてきた。また、今後も、運用においてはそういった姿勢は変わらず続けていくのが必要ではないかと考えているところでございます。
長 浜 委 員:  終わります。ありがとうございました。
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