民主党 長浜ひろゆき
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長 浜 委 員:  長浜博行でございます。どうぞよろしくお願いします。
 私は、東京の下町の生まれ、育ちでございまして、この種の法案といいますか、環境の問題で立たせていただくときに、いつも、動物というと犬と猫、鳥はブンチョウとカナリアぐらいしか知らないような状況で育ってまいりましたので、この環境委員会の質疑というのは、とても、いつも新鮮で、かつ勉強をしなきゃいけないなというのを痛感しているわけでございます。
 きょうの参考人の皆様方の御経歴を見ると、寺本参考人と辻岡参考人は大阪府立大学農学部の先輩、後輩という間柄でございます。それから、草刈さんは日大の農獣医学部ということで、やはり豊富な専門知識を持っておられるということがよくわかるわけでございます。
 それで、拝聴しておりまして、この法案の名前もそうなんでありますけれども、割と、私の印象でいきますと、寺本参考人は、農業の分野から被害をどう防ぐか、若干乱暴な言い方をすると、もうとにかく農作物を食い散らかしている、そういうのはどんどん退治しちゃおうという形をとらないと、それはもちろん、その業でなりわいを立てておられる方々にとっては大変な問題だと思います。それから、草刈さんの場合は、スタンスからいえば、我慢できるところまでは我慢して人間と動物と一緒に生きていこうじゃないか、別に宗教は関係ありませんが、無益な殺生はやめようやというような形の部分もあるかもしれません。それから、辻岡さんの場合は、大変興味深かったのは、猿の、排除のところとゾーニング、それから緩衝の部分と保全。ですから、お三方のお話を拝聴していると、極めて差異が明確になっているような気がしてならないのでございます。
 現行の鳥獣保護法の立法目的というのも、今まさに参考人の皆様方がお話になられたそのもので、さまざまなものがぐちゃっとなっているところの難しさを感ずるんですね。
 「鳥獣の保護を図るための事業を実施するとともに、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害を防止し、併せて猟具の使用に係る危険を予防することにより、鳥獣の保護及び狩猟の適正化を図り、もって生物の多様性の確保、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資すること」とされている。
 これは、何かもう、五行ぐらいが一つのセンテンスですね。こういうのは余りいい文章とは思いませんけれども、そうしないと鳥獣保護法なるものが成り立たないということになってしまっているのではないかなというふうに思っております。
 鳥獣保護といいますけれども、実際には鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律、こういった名前で、略称鳥獣保護法ということを書いておりますが、今長々と、あえて専門家の方々に申し上げるのも大変恐縮でございましたけれども、現行の鳥獣保護法の立法目的、今申し上げたとおりでございますが、これを改めてお考えになられて、この法案は、名は体をあらわすということではありませんけれども、今申し上げた立法目的を反映しているというふうに思われますでしょうか。
 お一人ずつ伺えればと思うんですが。余り難しく考えずに。
寺本参考人:  十分にお答えできるかはわからないんですけれども、私は、農業の対策の立場から申し上げますと、現在、野生獣、特に獣種によって違うんですが、イノシシ、シカに関していえば個体数調整が必ず必要になってきますし、猿においては追い払い等の誘因除去法を中心として対策をする方が効果が高いと考えております。
 その中で、特に触れておきたいところが、今駆除をされているところが猟友会という組織に担っていただいているんですが、恐らく、将来その猟友会の組織というのは不安定になってくるだろう。では、そのときにだれが捕獲をするかということになりますと、その体制を検討していただかなければならないんですが、当面小規模な農家の方が自己防衛する。そのためにはわな猟というところがポイントになるんじゃないかなということで、くくりわな、とらばさみ、はこわな、そういうところをきちんと、安全対策、錯誤捕獲を注視しなければならないんですけれども、今回の改正法案にきちんと位置づけをしていただきましたので、当面、それをきっちり、わな猟というのを利活用して個別に農家で対策を行っていただければなということで、そういう対策の目的には、その部分に関してはかなっていると思います。
草刈参考人:  この鳥獣保護法、いろいろな担当者によって呼び名が変わっていて、ハンターの方々は狩猟法というふうにおっしゃっています。
 なぜ狩猟法が出てくるかというのは、この衆議院の資料集の二十九ページにございますけれども、鳥獣保護法の制定のあらましがあります。そもそも農林水産省の法律が環境庁ができたときに鳥獣保護法というふうに衣がえしたわけでして、保全と管理または被害問題が合体化している法律という形になっています。
 ただし、現状は、目的条項の中に生物多様性の確保というのが入っておりますし、我が国も生物多様性条約を批准している国でありますので、確かに被害問題は何とかしなきゃいけないんですけれども、残された鳥獣がまだたくさんあります。そういう鳥獣をどうやって生物多様性を確保していくかということが必要だと思いますので、現状の法制度ではまだそこまで機能していないというふうに感じております。
辻岡参考人:  私は、この法律は、野生鳥獣と人がうまく折り合いをつけて共存していくことが目的ではないのかなというふうに考えております。
 今、鳥獣害、特に山村地域で非常にひどい状態です。今、地球温暖化防止のために温室効果ガスの削減ということで、森林の整備、管理が非常に注目されておりますけれども、その森林の管理を担っているのは山村に暮らしている人々です。その方々が今大変な鳥獣害で苦しんでおられるということで、私は、これは何とかしていかないと、今後どうしようもなくなる状態になるんじゃないかなと非常に危惧しております。
 そんな意味で、今回の法律改正は一歩でも二歩でも対策を前に進めていこうという内容でございますので、ぜひこれは改正をお願いしたいというふうに考えております。
長 浜 委 員:  そこで、この法案が生きてくると、特定鳥獣保護管理計画、特定計画というのをつくっていく、その大前提としては、都道府県知事が鳥獣保護事業計画なるものを当然この法律に基づいてつくっているわけですね。しかし、そのまた大前提となるのは、鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針、基本指針を環境大臣がしっかりと示さなければならないわけでございます。
 この法案の前に、実は容器包装リサイクル法の質疑をここでやったんですね。ペットボトルとかその種のものですね、ごみか資源かというものですが。あのときも、この種の問題は、環境とそれから経済産業、さまざまな省庁と複合的にまたがる問題で、ごみ問題がそうですね。それから、今お話を申し上げているように、ひょっとしたらこれも農水委員会とあるいは環境委員会のマターかもしれない。
 だけれども、別に、たまたま法案がぽんぽんと来ましたけれども、この種の環境問題というのは、多分さまざまな分野を網羅する大きな視点でなければ、少なくとも環境を主とする日本国になっていこうなんという形で、与野党関係なく環境の問題を言う状況の中においては、目的を達成し得ないというふうに思うんですね。
 特に、この基本指針の部分は、基本指針を策定または変更するに当たってはというようなことで幾つかの注意点があるんですが、高度に専門的な知識等を必要とすることが多いこと、並びに利害が対立するものも多く、内容の適否が鳥獣関係行政上大きな影響を及ぼすことから、農林水産大臣との事前協議を行うこと及び学識経験者により構成されている中央環境審議会に諮って公正な意見を反映させるというような形での基本指針の一つのルールといいますか、考え方が規定をされているわけですね。
 ですから、割と、ごみの問題も、あるいはこういった動物の問題も、利害が相反する、経済か環境保護かというような、こういった部分が問われる場面が非常に多いんですね。
 そこで、きょうはお二人の地方の行政にかかわられている参考人がいらっしゃいますので、環境省あるいは環境大臣の基本指針というものが、地方で現実に行政を担当する、行政というのは、鳥獣法を施行される上で極めて明確な指示が出ているとお思いになっておられるのか。寺本さんと辻岡さんのお二人に伺いたいと思います。
寺本参考人:  明確な指示という点に関してはちょっとお答えしにくいところがあるんですけれども、滋賀県は、環境を中心とした行政、琵琶湖を抱える機関でございます。鳥獣保護特定計画に関しましても、環境を重視した計画を立てております。ただ駆除だけではなしに、すめる森林の環境を改善しながら、また、できるだけ追い払い等で誘因除去法を徹底して、その上で、被害が減らなければ、特定計画にある部分捕獲、全体捕獲に実行を移していくというような段階で、最終手段として駆除というものの位置づけをしております。
 環境省の言っておられる環境、人と野生獣との共存という面に関して、的確にそれを遵守するような形で、私たちの県としても同じようなことを考えていますので、環境省の考え方のもとで、私たちも同じ考え方で仕事を進めているということで、的確に表現されているということに関しましてはそう思います。
辻岡参考人:  国の指針はおおむね適正であると考えております。これに基づいて県の鳥獣保護事業計画を策定いたしております。
 ただ、これまで栃木県では、国の指針では示されていませんでしたけれども、例えば愛玩用の小鳥の捕獲の許可、こういったことは国では示されていませんけれども、栃木県独自で、かなり以前からこの許可はしないという方針で書き込んできたり、そういったことはございます。
長 浜 委 員:  環境委員会でございますから、環境省はよくやっていないとはなかなか言いづらいかもしれませんが、別にそういう深い意味ではなくて、環境省はもっとしっかりしろ、環境大臣もしっかりしてもらわないと地方の行政もやりづらいと思うことがあれば、こういう場じゃなくても、調整官庁としての環境省の役割が、きっちりとした地位がまだ歴史が一番浅いという部分もあって制約されているという議論が、この法案だけではなくて、さまざまなところで出るものですから、ぜひ地方の生の言葉を、中央といいますか環境省の方にも届けるフィードバックのシステムも見ていただければいいなというふうに思っております。
 また、財政の問題、いろいろやれというふうに言われますけれども、三位一体だ何だかんだで財源がない、地方のことは地方でやってくれと。さっき森林税のお話も出ておりましたが、日本国の環境を守るという視点からすれば、もう少しこの財政面での措置が地方には必要なのかどうか、簡単にまたお二人からお願いをしたいと思います。
寺本参考人:  県におきましても予算的に非常に困難な状態でございます。その面で、野生獣による農作物被害が甚大になっているということで、特定計画のもとでそれを解決していこうということで取り組んでいるわけですが、国からの予算的措置をもうちょっと十分措置していただければ、さらなる計画の発展につながるものと考えております。
 その辺、また国の方で検討していただいて、よろしくお願いいたします。
辻岡参考人:  鳥獣保護事業関係の県の予算というのは、やはり非常に厳しいものがございます。県の財政状況も非常に厳しゅうございます。
 これまでも私も長くやっていまして、公共事業の予算と比べますと非常に少ない予算でやってきたという現実がございます。これがもっと財政的に予算が確保されますと、モニタリング調査にせよ、いろいろな調査もしっかりとできるということはございます。
長 浜 委 員:  草刈参考人に伺いますが、さっきちょっと気になったんですが、人材の問題です。
 人材のときに、何か審議会でお話をされていて、ある報告書があるけれどもまだ印刷が間に合わないとかなんとかで、この法案を審査している状況の中でもそれが出ていないみたいな話がありましたけれども、例えば司法警察員とか鳥獣保護員というような形で都道府県は担当官を任命しますよね。司法警察員なんかの場合は、違法なわなの撤去や何か等々を含めて、あるいはその罰則も含めて、要するに取り締まることもできるということになっているわけでありますが、常勤型の鳥獣保護員の方の場合、担当官とかいうふうに決めても、皆様方のような専門的な大学の教育を出てどうこうする人がつくと言われつつ、何かジョブローテーションの中で、現実には、今度は転勤でこっちですよ、こっちですよみたいな形で、全く知識のない方々がこういうポジションにつくような話もあるやに聞いておりますけれども、専門的な人材を養成するとかいうことも、この法案の中でも、あるいはこの間の質疑の中でも出ておりましたけれども、こういったものは機能するんですかね、この法案で。いかがですか。
草刈参考人:  一昨年の環境省の鳥獣保護管理検討会の報告書がまとまりまして、その中では、今回の改正はその専門家の育成が大きな目玉ではないかというふうなことで、その検討会の委員の方から聞いた話によりますと、そういう人材育成については、検討して報告書ができるところまでいっている、もう印刷するところまでいっているんだけれども、環境省からとめられているのでまだ印刷ができていないということを聞いておりますので、その報告書を我々もまだ見ておりませんが、その報告書の中には、恐らくどういう形で対処していったらいいかという記述が書いてあるはずですので、そこら辺をやはり検討していくべきではないかなと思います。
 それから、簡単ですけれども、参議院の参考人のときに、兵庫の坂田参考人から兵庫の専門家制度の仕組みの答弁がありました。兵庫県の中で森林・野生動物官を公募するという告知をしたところ、十六人の関係者からやりたいという公募が出て、そのうち五名に絞ったと。それで、その五名の方々が五年間同じセクションについて対応していくというふうな努力をされていますので、そういった先進的な事例が各県でもうまくいくように、環境省として考慮すべきだというようなものをつくり上げていくということは必要不可欠だと考えております。
長 浜 委 員:  今のお話だと、この法案の中で、現実に農業の被害を少なくするということと同時に、あるいは野生動物を保護していく、ひいては野生動物の保護ということにおいての人材育成においても、ちょっと不安だなという印象を私は受けますけれども、三人の参考人におかれましては、貴重な御意見をどうもありがとうございました。 終わります。
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