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長 浜 議 員: |
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民主党・無所属クラブの長浜博行です。
私は、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合並びに民主党・無所属クラブを代表して、本院議員松浪健四郎君の議員辞職勧告決議案について、提案の趣旨を説明いたします。
最初に、決議案の本文を朗読いたします。
なお、あわせて、その理由を申し述べます。
議員松浪健四郎君の議員辞職勧告に関する決議案
本院は、議員松浪健四郎君の議員辞職を勧告する。
右決議する。
以下、その理由を申し述べます。
政治腐敗を根絶し、清潔な政治を実現することは、議会制民主主義の根幹にかかわることであり、政治家の責務であります。ましてや、政治家が反社会的な勢力である暴力団と関係するようなことは、断じてあってはならないわけであります。
しかるに、松浪君は、建設会社の会長が暴力団員とわかった後も秘書給与の肩がわりを受け続け、また、約二百七十五万円の寄附を受けながら、政治資金収支報告書に記載していませんでした。さらに、松浪君は、建設会社の会長が暴力団員と知りながら、談合事件で大阪府警から手配中だった当該会長に頼まれ、電話で捜査状況を照会しています。
これらの事実は、松浪君みずから認めています。松浪君が国民に対して真摯な態度をもって行動しようとするならば、政治家と暴力団という、反社会的な集団との関係を重く受けとめ、議員として身の処し方に思い至るのは当然のことと考えるのであります。
選挙によって国民の信託を受けた国会議員が政治家として最低限必要な倫理観の欠如を露呈させたことは、国民の政治不信を一段と強めただけでなく、本院の権威と名誉を著しく失墜させました。
よって、本院は、議員松浪健四郎君が速やかにその政治的道義的責任を果たすべく、議員を辞職するよう勧告する。
以上が、本決議案を提出する理由であります。
付言いたしますと、現内閣、連立内閣のもとで、有効な施策が講じられないまま、我が国経済は悪化の一途をたどっています。政治的にも経済的にも課題山積です。
このような中で、相次ぐ国会議員をめぐる疑惑は、経済の閉塞状況と相まって、国民の政治不信、政治へのいら立ちを強め、政党政治の根幹を揺るがしかねない事態になっています。政党政治の否定がやがては民主政治の否定につながっていくことは、歴史を顧みれば明らかです。
本院は、昨年、いわゆる外務省問題など一連の疑惑で逮捕された鈴木宗男君に対して、本院として初めて、議員辞職勧告決議案を可決いたしました。そして、つい先日、三月二十五日には、坂井隆憲君に対して、本院として二度目の議員辞職勧告決議案を可決いたしました。
本院は、相次ぐ政治と金の問題で失われた国民の政治への信頼を回復するため、悪しき政官業癒着型政治の一掃に全力を挙げて取り組んでまいったわけでありますが、遺憾ながら、その鈴木宗男君、坂井隆憲君が依然として議員のいすに居座り続けているため、国民の政治不信解消と信頼回復は進んでおりません。
こうした中、また新たに松浪健四郎君の、事もあろうに暴力団絡みの政治資金をめぐる疑惑が明らかになりました。松浪君が、暴力団組員が、当時でありますが、実質的に経営する会社から私設秘書給与の肩がわりを受けていたこと、また、松浪君は、この会社の会長が暴力団組員とは当初知らなかったと述べていますが、その事実を知った後も二カ月にわたって給与の肩がわりを受け続けていたこと、さらに、松浪君みずから認めているように、政治資金規正法違反と知りながらこの給与の肩がわりを政治資金収支報告書に記載しなかったこと、加えて、この会長に頼まれて当時指名手配中だった当該会長の捜査状況を大阪府警に照会したことなど、どう考えても、政治家としてのモラルを云々する以前の問題であり、ちょんまげを切って生まれ変われる筋合いの問題ではありません。
松浪君が議員として居座り続けることによって生ずる本院の威信の低下、国会議員全体に対する不信は、広がりこそすれ、やむことはありません。
本院は、松浪健四郎君が今こそ、その責任を自覚して議員を辞し、国民に陳謝し、みずからの政治的道義的責任を明らかにすることを勧告します。
さて、先ごろ行われた政治倫理審査会での審査において、また新たに、松浪君と暴力団との関係が明らかになりました。当初の暴力団関係者とは別の暴力団幹部が経営する会社から同君の政治資金管理団体等への寄附が発覚したのであります。松浪君は、後日、政治倫理審査会幹事会に異例の「弁明書補遺」を提出、暴力団関係者であることを知らなかったと、みずから、政治資金の授受を認めています。
かつて、政治倫理審査会規程が議決された本会議で、政治倫理綱領と行為規範も同時に議決されています。
政治倫理綱領の冒頭には、「政治倫理の確立は、議会政治の根幹である。われわれは、主権者たる国民から国政に関する権能を信託された代表であることを自覚し、政治家の良心と責任感をもつて政治活動を行い、いやしくも国民の信頼にもとることがないよう努めなければならない。」とあります。
また、行為規範において、その第一条に、「議員は、職務に関して廉潔を保持し、いやしくも公正を疑わせるような行為をしてはならない。」と規定しています。
そして、国会法第百二十四条の二には、「議員は、各議院の議決により定める政治倫理綱領及びこれにのつとり各議院の議決により定める行為規範を遵守しなければならない。」と定めています。
松浪君の行為がこれらに違反することは明確です。
しかし、政治倫理審査会の結論は、昨日提出されたものでございますが、与野党双方の意見を併記しただけで、松浪君に対する勧告等は一切行われませんでした。これですべてを終わらせようということでしょうか。国民が納得するとは到底考えられません。
私どもが要求し続けていた予算委員会での参考人招致を受け、事実関係をすべて明らかにした上で、国民に謝罪し、みずからの身を処する、これこそ松浪君のとるべき態度だったのではないでしょうか。
ところで、正直申し上げて、私自身がかつて御指導いただいた諸先輩が多数おられる保守新党は、この問題について、松浪君の役職停止という、信じられないような軽い処分を決定いたしました。他党のこととはいえ、政党政治そのものが危機に瀕しているという緊迫感が全く感じられないのは、極めて遺憾であります。
松浪君といえば、議場での水まき事件で懲罰を受けたことも記憶に新しいことです。松浪君の身の処し方については、当初、与党内からも、議員としてのけじめを求める声が随分出ていました。松浪君はこれまでの例と違って事実関係をほぼ認めているわけですから、当然の帰結と言えます。
以上のとおり、我々は、本院議員であり議院運営委員会の委員かつ理事会オブザーバーという責任ある地位にあった松浪健四郎君がみずから速やかに議員の職を辞することを勧告する決議を提案するものであります。
最後になりますが、本決議案が本会議に上程されれば、本院史上三度目となり、一つの国会開会中に二人目という異常な事態になります。坂井隆憲君の件で私が行いました趣旨説明に対して、「与党批判、党利党略」とコメントされた松浪君に、どうしてそんな次元でしかこの問題をとらえられないのかなと残念な感慨を抱きましたが、何とも言いがたい、ざんきにたえない状態であることを付言いたし、良識ある諸先輩、同僚議員の御賛同をお願い申し上げ、提案理由の説明を終わります。 |
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| 佐 田 委 員: |
自由民主党の佐田玄一郎であります。
私は、自由民主党を代表いたしまして、議員松浪健四郎君の議員辞職勧告に関する決議案について、若干の質問をさせていただきます。
議員辞職勧告決議案について、国民の代表である議員の身分は極めて重く、安易に国会決議をもって議員の身分を奪おうとすることには憲法解釈上疑義があると考えますけれども、この点についてはいかがなお考えでありましょうか。
また、議員辞職勧告決議案は、法律上根拠がなく、議院の意思として辞職を求めるものでありますから、その提出は慎重を期す必要があり、安易な提出は許されてはならないと考えるところであります。今回の決議の提出に当たっては、一部マスコミの報道でしか根拠がないにもかかわらず提出した理由をお伺いしたいと思っております。
また、政治的道義的責任というものを完全に否定するものではありませんけれども、政治的道義的責任があるという理由だけで議員辞職勧告決議案の提出は許されず、本来、裁判所での一審有罪判決や起訴という公権力の判断、客観性が認められる場合に限られるべきと考えますが、いかがですか。明確な基準が必要ではないかと考えるところでありますけれども、どのようにお考えでしょうか。
我が党は、議員辞職勧告決議案の取り扱いにつきましては、今後、明白かつ重大な違法行為が明らかになった場合には、議員辞職勧告決議案の本会議上程を行うことを可能にすることを確認いたしました。すなわち、国会議員の刑事責任が問われる事態となった段階において党として対応していくという趣旨であります。
今回の辞職勧告決議案は、いまだ疑惑の段階であり、政治的道義的責任だけを取り上げて議員の辞職を迫るという道を切り開いてもよいと考えられているのかどうか、お聞きしたいと思います。
仮に、本決議を議決した後に本人が辞職しない場合、院議不服従として懲罰委員会に付することは、院外の行為により懲罰に付することになり、憲法五十八条に抵触するとの拡大解釈につながるおそれがあると考えますけれども、この辺はいかがなお考えをお持ちでしょうか。
最後に、我々自由民主党といたしましては、本決議案の提出自体に問題があり、それを本会議に提出することは反対せざるを得ないことを表明し、質問を終わらせていただきます。
以上です。 |
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| 長 浜 議 員: |
今、五問の質問をいただいたというふうに思っております。
まず第一は、国会は国権の最高機関であり、国会議員は、言うまでもなく、国民からの厳粛な信託を受けております。国会議員の身分は、憲法上、手厚く保障されているわけであります。
しかし、趣旨説明で申し上げましたように、政治倫理綱領の重要性にかんがみ、出処進退について、みずから判断しない、できない、する感性を持ち合わせていない場合には、むしろ、院としての自浄作用を発揮すべきと考えております。勧告を行うことは、憲法に抵触するとは思われません。
また、議員辞職勧告決議案は法律上根拠がなく、議院の意思として辞職を求めるものであるから、その提出は慎重を期す必要がありという御指摘でありますが、全く同じ考え方でございます。
ただし、後段の部分で、今回の件が一部のマスコミの報道でしか根拠がないではないかという指摘は、若干といいますか、大幅に認識が違っております。これまた趣旨説明で申し上げたとおり、御本人の告白あるいは与野党合意での政治倫理審査会の開催等で、世の中に与えた影響、政治不信の増大等、もっと事の重大さを認識すべきというふうに私は考えております。
三番目に、政治的道義的責任というものを完全に否定するものではありませんがとおっしゃっておりますが、政治倫理綱領の問題を趣旨説明の中にたびたび織り込ませていただいたように、政治的道義的責任というのは政治家にとっては魂ともいうべき大事なことであるというふうに思われます。
また、政治的道義的責任があるという理由だけで議員辞職勧告決議案の提出は許されずという御指摘でありましたが、それは、先ほどの二の質問のことと矛盾するのではないかというふうに思っております。
議員の辞職に関しては慎重を期す必要があり、安易な提出は許されてはならないということでありますが、政治的道義的責任というものが、議員辞職勧告決議、勧告でありますので、許されずということには、そこまで強く言い切ることができるのかなというふうに思っております。
そして、司法の判断のことについても触れられましたが、公権力の判断を尊重することはもちろん大事だと思いますけれども、三権分立の原則の中で院の自浄作用を院の意思で、立法府の意思で行うことが大切だということも認識しなければならないのではないかと思います。
明確な基準はということも、これは、この勧告決議案が本会議に上程されれば全議員が対象になりますし、考えたくないことでありますが、上程されないようなときには、ここにいらっしゃる皆様方、政治家一人一人の明確な基準というのは政治的良心でありまして、この案に関して賛成したか反対したかというのは、まさに松浪君自身がおっしゃられたように、ここにおられる御自身一人一人が次の選挙で問われることだというふうに思っておるわけであります。
それから、疑惑ではなく、趣旨説明で申し上げたこと及び政倫審等で明らかになった厳然たる事実があるということも忘れることはできません。
政治的道義的責任だけを取り上げてということでは、これだけのことに執着しますと、それでは、捕まらなければいいのか、ばれなければいいのか。司法の判断を待つ前に、政治家の良心として、我々はなすべきことが、もちろん憲法上許される範囲の中で、なすべきことがあるのではないかというふうに思うわけであります。
最後に、御高承のように、質問者を含めまして、現在、議会制度協議会懇談会で、この院議不服従の問題は議論している最中でございます。さらに、この質問は本件とは直接関連していないのではないか。すなわち、本人が辞職しない場合、即院議不服従として懲罰委員会に付するということは何も決まっていないわけでありますので、この問題に関しては、与野党問わず、これから慎重に審議していくものだというふうに考えておるわけであります。以上です。 |
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