民主党 長浜ひろゆき
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長 浜 委 員:  長浜博行でございます。
 連日こういう委員会を開かせていただいて、きのうも質問をさせていただいておりますし、きょうは両先生がお見えになるということで、浜田先生の場合は参議院の議運の委員会で参考人としてしゃべれられた資料をいただいておりましたので、若干予習をさせていただきまして、板倉先生の場合は論文等々書かれておられますので、そういうことをベースにしながら、短い十分間のお話でありましたが、そういった点でお話をさせていただければ、御意見を伺えればというふうに思っております。
 今の与党の方の質問を聞いていても、あるいはきのうの質問を聞いていても、何をそんなに恐れているんだろうかなという気が正直言って私はいたします。後ほど、政治活動を不当に妨げる、つまり政治活動の自由を束縛する何かがこの法案の中に潜んでいるかということはお聞きをしますけれども、もちろん、言い方は極端ですが、政治家は、あっせんする動物かどうかは別にしまして、いろいろ問題を抱えている方々の意見をヒアリングしながら仕事をしていくというのは当たり前でありますから、極めて単純なことは、それに対する対価というか、わいろというか、不当な見返りをもらうかどうか、これもきのう議論が出たのです。では、どこまでが不当の見返りで、どれまでが浄財だという議論もきのうやったわけであります。
 まずもって私が強調したい点は、浜田先生が参議院の議運でしゃべられましたけれども、ここは政治倫理の確立に関する特別委員会ですね、もちろん公職選挙法の改正も行いますけれども。衆議院には常任委員会として法務委員会もあります。これが、先生先ほどおっしゃられたように、わいろ罪の類型としての議論と、もちろんそういう側面もあるのかもしれませんが、しかし、やはり議論している場が、政治倫理の確立をするためにどうしたらいいか。しかも、この保護法益が政治公務員の政治活動の廉潔性とこれに対する国民の信頼ということでありますから、先生の御指摘になった点、もっともだと思う部分、私はいっぱいあります。なぜこんな議論をしなければいかぬのかな。こんな法律なんか、与党案も野党案も要らないじゃないか。何でこんな法案を審議していなければいけないのかな。
 しかし、現実になぜここまで政治不信が堆積をしてしまっていたかといえば、公職選挙法を改正しました、これも先生から御指摘のあった連座制をつけたり何やかんや。政治資金規正法も強化をしてまいりました。しかし、それでもなお、請託の問題も含めまして、立件はされませんけれども、この保護法益の中にある国民の信頼というものが回復されていない状況にあるわけであります。
 それで、政治倫理の問題ということで、私はこの衆議院手帖をいつも持っております、スケジュールが書いてあるのですが。これには日本国憲法とそれから国会法と政治倫理綱領と行為規範があります。昭和六十年の六月二十五日につくられたものであります。倫理、倫理というこの倫理の問題によって、直接の議題ではありませんが、今回の法案のもとになっているというかベースであるところの保護法益が、倫理の問題を深めていくことによって、先生のお言葉ですと政治公務員倫理法ですか、こういったものをつくることによって改善すると本当にお思いになっておられるのか、浜田先生にお伺いをしたいと思います。
浜田参考人:  政治倫理綱領ですか行為規範でしたか、往年つくられていることは承知しております。ちょっと今資料を探したのですがすぐ出なかったので、その制定がちょっと今言えないのですが、ただ、これも規定が極めて抽象的ですね。もっとそこを強化して、いろいろと問題になっていることをその都度その都度改正していって、加えていって、自分たちでそういうものを律したらいいのじゃないかというのが、私かねがね考えていることであります。
 こういうことを改正しましたよというのをよく国民に知らしめて、我々はこういうことを決めているのですよ、国民の皆さんも我々の立場を理解してくださいというのをもっともっと訴えていただければ、皆さんの姿というものがよく国民に見えてくるのではないか、こういうふうに私は考えております。
長 浜 委 員:  先生のそういう温かい目で政治家を見ていただく視点というのは大変ありがたいとは思いますが、現実問題として、長い戦後の歴史、疑獄と言ってはなんでありますが、その連続の中において、必ず政治家はそのたびたびに反省をしてまいったはずであります。
 ですから、私は個人的にはこの倫理という問題が大変大事ですが、むしろ倫理法という形で法律にしていくことの方がそぐわないのではないかなというふうに感じているわけであります。大体、懲罰とかあるいはこういう委員会が一部の政治家の不届きな行為によって開かれているわけでありますから、ほとんどの政治家にとっては全く問題のない部分においての議論でありますから、さっきも申し上げましたように、このエネルギーの使い方の問題も言ったわけでありますが、しかし、今申し上げたその歴史的な意味も含めて、先生は、やはり今回の与党案、野党案、どっちもあっせん利得という問題で、選挙で選ばれる公務員を、縛るわけではありませんが、より厳しく対処していかなければならない状況に置くという法律に関しては賛成できないというお考えでございましょうか。
浜田参考人:  だから、私は、必ずしも全面的にもろ手を挙げて賛成というわけにはいかない、つくらなくて済めばそれが一番いいのだろう、こういうふうに考えております。
 しかし、つくるなら、疑義のないように、まずできるだけ範囲を狭めて、本来の政治活動が萎縮することのないように配慮していただきたいというのが私の基本的な考え方でございます。
長 浜 委 員:  その先生がおっしゃられた本来の政治活動を、毎日与党も野党も議員は、もちろん県会議員も市会議員も町村会議員も首長も行っているわけでありますが、特に野党案の場合に、政治活動を非常に縛られる、この野党案が通ってしまったら何も政治なんかできないじゃないか、私は全く縛られないと思っておりますが、そういうやつは仕事をしていないのだ、こういうふうに言われかねないようなこの野党案に対しての状況。この法案だと政治ができなくなるということでありますが、板倉先生、この点に関してもう少し教えていただければと思います。
板倉参考人:  私自身の考え方からいたしますと、たとえ野党案のようなものを前提としても、何か政治的な自由が脅かされたりすることがあるというふうにはとても思えないわけなんですね。もちろん、何も見返りに金銭を、利益を得るというようなことをしなければいいわけですから、見返りを得て政治活動をするということはもともといけないことだと思うんです。
 今回のは、涜職行為、公務員の職を汚す行為を処罰する、これは刑法のわいろ罪がそうなんですが、そのことに加えて、むしろ政治倫理、そういうものを確立するためと。だから保護法益は政治倫理、そういうふうに考えるべきだと思うんです。アメリカなんかでも、コラプション、腐敗を処罰するということに主眼が置かれているわけです。
長 浜 委 員:  先生おっしゃられるとおり、先生が書かれたものでも、政官業癒着のもとで行われる族議員の日常的な不正行為にメスを入れるものであり、あすは我が身かと心配な議員も少なくあるまい、議員活動を制約するおそれがあるとの指摘もあるが、正当な職務行為をするようにあっせんした場合は本罪にならないし、あっせんの報酬としてのわいろを収受しなければ処罰されないのだから、余り政治活動と直接関係ないんではないかというようなコメントもあるわけであります。
 その一方で、浜田先生のように、これは先ほど申し上げた議運のときでありますが、本法案には国会議員が本来遂行すべき活動をむしろ制約してしまう問題をはらんでいると、これまたはっきり先生もおっしゃられておりますが、浜田先生はいかがですか、この点は。
浜田参考人:  先ほどから申し上げておりますように、法案というものはできますとひとり歩きします。先ほどお話ししましたけれども、ごく一部の腐敗した政治的公務員に対処するために、多くの議員の先生方その他の政治的公務員の皆さんが今後何かするのに萎縮するような、そういう事態は避けてほしいなというのが私の気持ちでございます。
長 浜 委 員:  大先輩の先生に申し上げるのも大変恐縮ですが、しかし、先生、その一部の議員の問題をしっかりととらまえていかないといけない。多くの方は問題ないんですから何にも困らない、極端な話どんな厳しい法案をつくっても困らない人はいっぱいいるわけですから、その一部の部分をつぶしていかなければならないのではないかなと私は思っています。
 結局、この議論で、ざる法か、そして、衆議院の本会議の趣旨説明でしたか、検察ファッショかというおどろおどろしい言葉が飛び出してまいりました。こっちは、ざる法じゃないか、何を言っているんだ、あんたの方を通したら検察ファッショじゃないか。この両極の議論の中で、与党案、野党案と言ってもいいのかもしれませんが、ざる法でもなく検察ファッショでもない、その中間というものは、この両法案をごらんになって何か存在をするかどうか、その部分の御指摘をいただければと思います。
 両先生にお願いします。
浜田参考人:  私、どちらの法案につきましても、この法案が制定されましたら検察ファッショというわけでもなければざる法でもない、基本的にはそう考えております。
 ただ、今後の運営に当たって、与党案の方は非常に範囲が限定されている、そういう姿勢は明らかにあります。私としては、政治活動について将来に何らかの危惧を残す、これをやっても大丈夫なんだろうかというようなことのないようにというのが一番の配意でございまして、特に、結果として政治資金団体に政治資金が入ってくる、これがやはり一番問題で、これが利益じゃないかというふうにとらえられたときどうなるのかということを危惧しております。
 私は、たくさんの方に政策を知っていただいて、たくさんの方に後援会に入っていただいて、たくさんの方に政治資金をいただいて、そしてしっかり活動していただいて、そしてますます皆さんの活動を国民に知らしめていただいて、国民といい政治をやっていただきたい。私の理想としてはそういうふうに考えているわけでございます。
板倉参考人:  私は、与党案は、ざる法というのはちょっと言い過ぎかもしれないと先ほども言いましたが、いずれにしても、実効性がかなり上がらない不十分なものだと言わざるを得ないと思います。
 野党案でも、検察ファッショになるとはとても思いません。先ほども申し上げましたように、あっせん収賄罪でも、今まで国会議員レベルでは二件しか適用されていませんし、まだ有罪が確定したのは一つもないわけですから、日本の今の検察庁などの実態ではファッショというようなことは考えられないように思います。そして、刑罰法規は厳格に解釈しなければならないという鉄則がございますし、ですから、検察ファッショになるというようなことは考えられないと思っております。
長 浜 委 員:  質問を終わります。どうもありがとうございました。
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