民主党 長浜ひろゆき
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長 浜 委 員:  改革の長浜博行でございます。
 委員の中には法曹関係の方も多数おられるという委員会でありますが、素朴な質問をさせていただければ、そのように思っております。
 大変短う時間でございますので、裁判官の報酬それから検察官の俸給等は、今中島委員の御質問、そして御説明で私自身理解ができたところもございますので、基本的には賛成でございます。
 本質疑とは直接の関係はありませんが、後ほど申し上げますとおり、いわゆる諸般の事情といいますか、社会情勢が大分変わってくる中において、素人から見ておりましても、そろそろ司法行政の抜本的な改革とか、政治の分野ではよく五五年体制の見直しということで突っ走ってまいりましたけれども、司法の分野においても再点検をする必要があるのではないかなというふうな気がいたしております。ですから、もちろん待遇を改善して質的に向上する司法行政、法務行政を行っていただきたいのと同時に、量的と申しますか、人数の問題を含めて予算面での配慮も必要になってくるのではないかな、そんなこともつけ加えをさせていただきたいなというふうに思います。
 そして、その業務の中の個別な問題でありますが、きょうは二つほど取り上げをさせていただきたいというふうに思うのです。
 まず最初にPL法、もう盛んに議論をされたところでありますが、製造物責任法のことでございます。来年の夏から施行されるということで、これはあくまでも欠陥製品による被害から消費者を救済をするというような目的でつくられた法律でありますが、単純に日本の社会というのは、何か
問題があったら裁判所に駆け込むとか弁護士さんに相談をするというような風土ではございませんけれども、しかし、こういった法律を契機としていわゆる訴訟件数が増大をしてくるのではないか。そういった場合の中において、いわゆる裁判所の取り組みとして、裁判の迅速化とかスピードが要求をされている中において訴訟件数がふえてくる、いわゆる細かい問題もふえてくる、こういった問題に関しての対応をどう考えておられるのか、例えればと思います。
今井最高裁判所
長官代理者:
 お答え申し上げます。
 今お話ございましたように、今回制定されました製造物責任法でございますが、これは損害賠償責任の成立要件を、現在の民法の過失という主観的要件から製造物の欠陥という客観的要件に転換するということでございますので、その意味では、原告の立証の負担が軽減されるということになります。そういうことから考えますと、この法律が来年七月一日に施行されるということでございますが、法律の施行後、こういう関係の事件が増加するのではないかということは十分予想されるところでございます。ただ、この事件がどの程度増加するのかということは、それまでのいろいろなほかの環境というようなことがございまして、なかなか現時点では予測は難しいと言わざるを得ないと思います。
 私どもといたしましては、この法律が先般の国会で成立いたしまして以降、その内容あるいは法律の趣旨というものを下級裁判所に周知をしてきたところでございますけれども、今後は、この法律の施行に備えまして、例えば参考資料の整備というような、執務環境の整備というようなことに努めまして、法律が施行された場合に、事件数の動向等を見まして、この事件の処理に支障のないようにいろいろな手当てを講ずることにしたいというふうに考えておるところでございます。
前田国務大臣:  今裁判所の方から御答弁がございましたが、法務省といたしましても、製品事故が起き、そして紛争が生じた場合、最終的には司法判断、すなわち裁判所において裁判で解決されるもの、そう思っておりますが、それと同時に、PL法の附帯決議にもございましたが、被害者の早期救済の観点から裁判外の紛争処理機関の充実も、先生御指摘のとおり重要な課題であると認識をいたしております。
 そこで、その裁判外の紛争処理機関でございますが、現在関係する省庁、数多くございますが、関係省庁及び関係業界において検討が行われておるところでございます。これは仄聞でございますが、例えば自動車、家電業界等も業界内で行うべくいろいろ検討もされておるようなことも伺ってはおるわけでございますが、いずれにいたしましても、法務省といたしましては関係省庁と十二分に協力いたしまして、製造物責任法の目的が達成されますように注意深く努力をしてまいりたい、かように思っております。
長 浜 委 員:  今大臣からもお話がありましたように、このPL法の権利が、いわゆる、これを使えばいいという問題ではありませんが、最初に申し上げた消費者を救済をするという目的において、果たして生活者、一般の国民の間に周知徹底が十分なされているかどうか。まだ来年の夏でありますから日数はあるわけでありますが、これを一つの生活者の権利として確立をしていく、こういった姿が大事ではないかなというふうに思います。
 今お話にありました裁判外の紛争処理機関、いわゆる今までの中においても、つまりPL法があるなしにかかわらず、ある業界団体が一つのクレームを会社として受けるのではなくて業界で受けて、それで対処をしていくというような事例もございました。また今回、通産大臣の諮問機関である産業構造審議会では、PL制度導入後の紛争増加に備えて紛争処理機関の拡充や多様化を進めるというような、何か答申も上がっているやに聞いております。
 ですから、それぞれの業界でこういった裁判外の紛争を調停する機関がふえてくると思いますが、しかし、いずれにしましてもそれを管理監督するという立場には、正確に表現すればないのかもしれませんが、一番最初に申し上げましたとおり、なかなか日本の社会の中においてはいきなり裁判所に駆け込むとか弁護士さんのところにお願いするというような風土がないものでありますから、あたかも法務省あるいは裁判所とは関係ない機関の中において一つの結論が出された、その結論によって、ああこれが最終結論だな、今申し上げているのは要するに裁判所の法的な結論ではなくて、その調停機関によるところの結論が、これが最終だというふうに一般の消費者は認識をすることが多々あるように思えるわけでありますから、いわゆる省庁間の調整等いろいろ問題はあるのかもしれませんが、PL法が制定をされるということを前提として、こういった機関が設立される中においては十分管理監督といいますか監視をしていただきたい、そのように御要望を申し上げるわけであります。
 続きまして、実は質問が難しいのですが、犯罪白書というのがこの内閣議で御報告をされて、私も興味を持って拝見をしておったのですが、何か平成五年における警察による刑法犯の認知件数、それから交通関係業過を除く刑法犯の認知件数両方においても、過去最高といいますか、戦後最高という大変ありがたくない不名誉な記録を樹立をしているようでありますが、これに関して大臣の所見をお願いいたします。
前田国務大臣:  先生から、先般出しました犯罪白書につきましての御質問でございますが、御指摘のとおり、平成五年度におきます刑法犯の認知件数、認知件数と申しますのは、警察において被害届等を受理したという件数でございますが、委員御指摘のとおり、二百四十三万七千件という戦後最高の記録をいたしたわけでございます。パーセントで三・五%でございますが、前年と比べますと八万二千件ふえておるわけでございます。
 その内訳を申し上げますと、比較的軽い事案がふえておるということもこれまた事実でございまして、特に窃盗が昨年に比べて、さっき八万二千件と申し上げましたが、窃盗が五万八千件、それから交通関係の業務上過失傷害あるいは致死等が二万二千件。
 中身につきましては、窃盗がふえておりますが、大体この中身も、俗な言葉で言えば万引き、それから最近非常に多くなってまいりましたが、自転車の窃盗でございますね、これが量的には極めてふえておりまして、この窃盗と交通関係の業務上過失致傷あるいは致死が全体の九割以上を占めておるわけでございまして、認知件数の増加ということになってまいりますと、これらが大きな要因であります。したがいまして、結論から申し上げますと、我が国の犯罪事情につきましては、おおむね変わらず、平穏と言うのは言い過ぎかとも思いますが、変わらずに推移しているということでございます。
 また他方、殺人などの凶悪犯が、少してございますが増加をしておりますし、また、侵入盗の悪質な手口の窃盗の構成もこのところふえておるわけでございます。また、暴力団関係の検挙人員も増加をいたしており、かつまた、薬物事犯も多発をいたしております。また昨今、ピストル、銃砲等の事件が最近の報道でもふえておりまして、特に昨今、一般市民がその犠牲となっておるというような最近の傾向も出てまいりました。
 これらでございますが、特にこの白書では、来日外国人の犯罪が大変ふえてきておるということに警戒すべき動向があるということを特にうたっておるわけでございまして、今後、犯罪動向につきましてはなお警戒を緩めずに厳正に努めてまいらなければならない、かように考えておるところでございます。
長 浜 委 員:  ありがとうございます。
 今のお話にもありましたように、軽微の犯罪、軽い、ちょっと魔が差したのかどうかわかりませんが、そういう犯罪がふえている。必ずしも軽ければいいということではなくて、よく世の中が乱れると政治が悪いというふうに言われますので、
政治家の一人として私自身も深く反省をしなければいけないのですが、ちょっとしたきっかけで、人が見ていないからやってしまうというようなかなり、道徳という言葉が古いのかどうかわかりませんが、モラルが低下をしているな、そういった社会を防いていかなければならない、そのようにも強く感じるわけであります。
 そして、今おっしゃられましたように、今回の特徴として、外国人新規入国者数が年間三百万人を超えるような状態の中において、不法に残留しているという外国人が、これは推定でありますから、二十九万七千人ほどに上がっているというような数字も出ております。
 私、この間、広島のアジア大会ですか、拝見をしておって、もちろん競技にも興味があったわけでありますが、各国の入国をされた選手団の中において、大事な競技にも出ないで失踪をしてしまったというようなのが、残念ですが華々しく報道されたわけでありますけれども、その後、いかが状況はなっているのか、簡単に御報告をいただきたいと思います。
塚田政府委員:  結局、総計で十五名のアジア諸国の選手が行方不明と申しますか、選手村からいなくなりまして、いまだ出国していないという状況でございます。しかし、在留期間が一定期間ございますので、まだこのままでもって即入管法違反ということでもございませんし、したがいまして、仮に入管法違反になれば退去強制ということがあるわけでございますが、そういう事態にも至っておりません。
長 浜 委 員:  今の部分が、最初に申し上げましたように、非常に質問しにくいと言ったところでありますが、日本の国際化の進展の中において、集団密入国等の不法入国事件や不法就労を目的とした不法残留事件等に発展するおそれがあるという、つまり事件にはなっていないのですが、この期間を過ぎるといわゆる不法滞留になりますよというようなことが、痛しかゆしで国際化の進展とともに起きてきているわけであります。こういったことに対しても、冒頭申し上げましたような、今までとは違った観点からの、あるいは法律の見直しといいますか、司法制度の見直しも必要になってくるのではないかなというふうに思っております。
 こういった入管の問題を質問をいたそうと思っていたら、きょうの新聞など拝見をしますと、これは、日本の在留ビザを取得をするために日系のボリビア人の女性が東京入管では不許可の決定がされ、途中の経緯はいろいろ省略をしますが、大阪といいますか、神戸支局の方では一転して許可となったような記述が載っておるわけであります。事実関係を詳しく掌握をしておりませんが、入管審査の現場では審査官の自由裁量がかなり大きな余地があるのかどうか、こういった問題を含めましてこの事件、おわかりになっているところがありましたら御答弁を願いたいと思います。
塚田政府委員:  事実関係につきましては、私どもも現在調査をしているところでございます。
 審査の仕方でございますけれども、一般論で申し上げますれば、基準というものが客観的にございまして、これは告示だとかあるいは規則という形で透明性もございますし、世間周知のことでございます。これに従って判断しておりますので、東と西で大きく異なるとか、あるいは一人一人について大きく異なるというようなことはあってはいけないわけでございますし、審査に当たっての内部の教育ということで、その辺は指導しているところでございます。
 しかし、こういうことが報道されたのも事実でございますので、ただいま事実関係の調査をいたしておりまして、必要な対応をとっていきたいと考えております。
長 浜 委 員:  ぜひ、厳正な事実関係の調査をお願いをしたいというふうに思います。
 先ほどのアジア大会のときにも申し上げた件でありますが、あのときもたしか私、テレビ報道か何かを見た記憶があるのですが、何か来日をさせて不法滞在をさせるようなブローカー的な存在、何というのですか、不法就労あるいは不法入国をさせるプロフェッショナルの組織が存在をするということもだんだん明らかになってきているようです。こういった問題に関しても、思い切ってメスを入れていただきたいというように思うわけであります。
 先日、関西方面の視察がありまして、法曹関係の方とお話をする機会もありましたのですが、やはり言語が違う、生活習慣が違うというのに対応しなければいけない法曹の姿勢が問われるわけでありますが、一番端的に言えば、特殊言語、通訳の問題、こういった問題に関しても体制を充実をさせていかなければならない、そのように思うわけであります。
 そういったことで、本日は時間がなくて、また別の機会に譲らなければならないわけでありますが、例えば昭和三十九年に答申といいますか、出された臨時司法制度調査会以降、やはり司法のあり方というものを、特に時代の変遷に応じて、国際社会の環境の変化に応じて見直す、こういった運動が、一つ一つスポット的には起きているのかもしれませんが、全体的には一つの大きな流れにはなっていないというような気がしておりますので、これは機会を改めてまた御質問させていただければというふうに思います。質問を終わります。
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